| 1月の法話 鏡餅 新實信導 |
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「餅つきは、縁起の良い末広がりの八がつく二十八日の方が良い」「いや、福の来る二十九日が良いのでは」という具合に餅をつく日も人様々。 また、餅を重ねる場合、二段重ねや三段重ねなど各家庭で異なる。さらに昆布や串柿などを飾る段階になるともっと複雑だ。おまけに雑煮となると丸餅、角餅、白味噌、合わせ味噌、澄まし汁、入れる具は様々。餅一つとっても各家庭にそれぞれ受け継がれ方が異なる。 そもそも、なぜ鏡餅を飾るのかというと、その年の福徳を司る吉神である歳神様が大晦日に訪れ、家々に新たな生命力や福をもたらすと考えられていた。この生命力や福のことを魂といい、歳神様によって与えられる魂なので歳魂(としだま)といった。 この歳魂を形に現したものが鏡餅である。鏡餅を仏壇や神棚に供え、歳神の歳魂をその鏡餅に蓄え、これを家人一人一人に分け与えて食し、霊力を体に取り込むという考えがあったそうである。 鎌倉時代の日蓮大聖人も身延にお住まいになられていた時、お正月にご信者からお餅のお供えがあった。 むしもち(蒸し餅)六十枚・清酒一筒・山芋五十本・蜜柑二十・串柿一連のご供養の品々頂戴しました。早速、法華経の御宝前にお供え致しました。初春の三日に、種々の御供養を法華経の御宝前に捧げられましたことは、花は咲いて果となり、月は必ず満月となり、灯火に油をそそげば光を増し、草木は雨が降れば成長するように、人は善根(善い行い)を行えば必ず尊敬されて栄えるのです。その上、あなたからの正月三日の御供養は元旦にもこえ、その蒸し餅はあたかも満月のようです、と。 このように大聖人はご信者からの御供養の御礼をお手紙に述べられ、人が幸せになるには善根を積むことが大切であると教えられている。 お正月には鏡餅をお供えし、家族みんなで歳神様から頂戴した歳魂をもって、善い行いをすれば必ずや幸福が訪れるはずである。 |