山のたより

能勢家文書

「信友」の「山のお便り」欄の記事を掲載しております。

 暑さ寒さも彼岸までと申します。今月21日は春分の日=彼岸の中日です。彼岸とは、向こう岸つまり凡夫の住むこちら側に対して仏の住む悟りの世界を表す仏教用語です。

 雪が解けて寒い冬から春になる時期、希望の世界への旅立ちの季節とも言えます。日蓮聖人は「法華経の行者の祈りの叶わぬことはない。いわば冬が必ず春となるように、当然のことである」と示されています。

 先行きの見えない

 今月十日は日蓮宗大荒行堂の成満出行会があります。
 昨秋十一月一日から寒壱百日間の修行は、想像を絶する厳しいもので、時には音を上げたくなることもあります。

 寒中の荒行は、宗祖の孫弟子日像上人が宗祖の跡を偲び、自身の布教の志念力を確かめ、仏祖のご守護を戴くために、毎夜極寒の海中に身を沈めて自我偈百巻読誦したという故事を嚆矢とします。

 11日は成人の日。成人式を迎える人にとっては、特別な思いがあることでしょう。

 二十年間をふり返り、楽しいことばかりではなかった。
きっと困難な出来事もあったことでしょう。
それを乗り越えて今があるのです。誇りとし、大いに自分を誉めて下さい。

 でも、人は独りで生きていくことはできません。

 一年をふり返り種々浮かぶ中、読売新聞に自身の写真が出たのは照れくさいが良い想い出だった(9月15日夕刊)。大阪市立美術館「道教の美術」展の開会式でのことだった。

 山紅葉が彩りを増す季節。朝晩の冷気は身を引き締めるが、昼間の陽気は眠気を誘う。

 私たちは読経の時、木鉦(もくしょう)を使うが、木魚を使うこともある。

 木鉦はカンカンと響くが、木魚はポクポクと実にのどかな音で眠りを誘う。
木魚は文字通り魚を丸くしたような形をしている。魚のようにいつも目を開けてつむらないようにとの戒めからできた形だという。