六月は梅雨の季節である。しとしとと絶えず雨が降り空気全体が重くなったように感じる。だが同時に、靄が山を水墨画のような荘厳な雰囲気へと変えてゆく。

そんな夏に向かう中間地点で衣更えは行われる。学校など制服を着る場所では一斉に冬服から夏服へと衣更えが行われるが、お寺も例外ではなく日蓮聖人の御尊像始め私たち僧侶の衣帯も重い冬物の衣から涼しげな夏物へと着替える。

元々は中国の宮廷で旧暦の四月と十月の一日に式服を替える習慣があり、それが平安時代、宮中に伝わり更衣の日と定められたのが始まりであるという。

また、衣を替えるだけでなく夏が近づくにつれて縁側には簾を掛け、部屋の障子を葦簀にしたりと建物も衣更えも行う。

エアコンをつけるのも良いが、先人の知恵を生かして気分新たに夏を迎えるのも悪くない。