さて、前回まで大乗仏教と小乗仏教の違いについて触れながら、法華経が編纂されるまでの過程をみてきました。法華経は、全ての者は成仏できると説き、大乗と小乗の隔たりをなくすことを目的として編纂されました。つまり、法華経でお釈迦様が語りかけている主な聴衆は、大乗の修行者である菩薩と小乗の修行者ということです。

 しかし、お互いを批判し合い、一方は成仏できないと思い込んでいる修行者に、いきなり全ての者は成仏できる、と言ったところで信じてもらえるはずがありません。

 そこでお釈迦様は、七つの譬え話を用いて平易に教えを説かれました。この譬え話を総称して「法華七喩」と呼びます。次号からは、この「法華七喩」についてみていきたいと思います。