まず最初に三車火宅の喩えについてみていきます。三車火宅の喩えは譬喩品第三に説かれている教えです。

 ある資産家の邸宅が火事になり、瞬く間に火が燃え広がりました。しかし資産家がいくら火事だと叫んでも子供達は遊びに夢中で聞く耳を持ちません。このまま放っておけば子供達は焼け死んでしまいます。そこで資産家は、子供達が三種類の玩具の車(羊の車、鹿の車、牛の車)を欲しがっていたことを思い出し、それらの玩具が門の外にあるから出てきなさい、と言うと子供たちは一目散に飛び出してきて助かりました。その後子供たちが約束の車をねだると、資産家は玩具ではなく、純白の本物の牛に引かれた車(大白牛車)を与え、子供たちは想像を遙かに超える宝を得たのです。