続いて長者窮子の喩えについてみていきます。長者窮子の喩えは信解品第四に説かれる喩えです。

ある父親のもとから突如息子が失踪します。父親は息子を探す旅に出て、その旅先で商売に成功し長者となります。そしてある日、偶然にも父親の豪邸の前を乞食となった息子が通りかかり、父親は慌てて連れ戻そうとしますが、息子は恐怖のあまり逃げ出してしまいます。そこで父親は従者に、豪邸で一緒に汚物処理をしよう、と言って息子を誘い出すように命じました。そして息子は父親の邸宅で汚物処理をするようになり、やがては長者の財産管理をするまでになりました。しかし父親は死期が近付いていることを知ると、従者を枕元へ集め、この乞食が自分の息子であり、全財産を息子に譲ることを明かしました。