法話(毎月更新)

真如寺の僧侶が毎月交代で法話を書いております。何気ない日常にある法華経の教えを感じて頂ければ幸いです。

 今年に入ってからというもの二月にかけて、雪の降る日が多い。やっと溶けたかと思うと、翌日には一面真っ白の風景に変わることも。また雪か…。日射しを見る限り春の訪れはもうそこまで来ているのだが。

 雪の下で顔を出すのが春の使者、蕗の薹。独特の香りとほろ苦さが春の息吹を感じさせてくれる。どことなくけなげな蕗の薹を見つけると元気が沸いてくる。

  つたなき者のならいは
  約束せし事を まことの時はわす(忘)るるなるべし

 宗祖日蓮聖人のお説きになった一節である。

 仕事に追われて、ふと気がつくと大切な約束をすっぽかしてしまった。
故意にではないのだが、相手があってのことなので申し訳ないという思いと、何でこんな失敗をしてしまったのかという悔悟の念が入り交じり、身の置き場がないような気持ちになってしまう。

 昨年九月に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」から送られてきた鮮明な映像は、「一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍」といわれたアポロ計画以来の大きな成果をもたらし、再び「月」が注目されています。

 

 新年明けましておめでとうございます。

 私は、昨年一昨年と冬の間は、千葉県中山にある日蓮宗大荒行堂の副伝師に就任し、行僧とともに寒一百日間の修行生活を過ごしており、久方に能勢でお正月を迎えました。

 「ようやくここまでたどり着いた」

 フォーマルドレスを身につけ、ワインレッドのつば広帽子を被った私。遠方の友人の結婚披露宴に招かれた帰りのこと。いつになくおしゃれをしたものの、両手にはたくさんの引き出物がぶら下げられて、もうこれ以上歩くこともできないほどに疲れ果てていた。

 まだ宅配便がなかった、三十年も前のことだ。でも忘れもしない。